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2024.02.27 | FACTORY

DOVE BLOG

ウェットスーツ職人の「技」 型紙〜生地取り編

工場見学ってワクワクしますよね。
私も小学生の頃「社会科見学」で某自動車工場に行き、某スポーツカーの下敷きをもらいました。
パン工場でパンをもらったり、もやし工場に行ってもやしをもらった事も。

…イヤイヤ、おみやげをもらって嬉しかった話ではなく工場見学ってワクワクしますよねって話です。
普段よく見る身近な物の製造過程を見る事。見た事もない特殊な道具。工場に響く音や匂い…。
非日常に触れることが出来るのが、工場見学の魅力なのではないでしょうか。

 

さてそんなワクワクする工場見学を擬似体験して頂きたいと書いてるこのブログ。
前回のブログ「職人技 裁断編」でも書かせていただきましたが、ウェットスーツの製造過程は大きく分けて…。

1型紙作成 2生地取り 3裁断 4ノリ塗り 5組み立て(貼り) 6縫製 7仕上げ

の7段階があります。今回はその工程の「1 型紙作成」「2 生地取り」を合わせてご紹介します。
今回はどんな「職人技」を見ることが出来ますでしょうか。お足元お気を付けてお進みください。

 

まず初めにご紹介する職人技は「型紙作成」です。
お客様が頂いた採寸データをパソコンに入力し、CAD(Computer Aided Design)というソフトを使って作成します。

 

入力が終わると「プロッター」という大きなプリンターのような機械から出力。

線を描くだけではなく、カッターによって切り込みも入ります。

これで型紙の完成です!

 

「…え?いきなりパソコン使ってもう型紙完成?職人技は…?」

って思いました?
実はすでに職人技を駆使しているのです!
採寸の誤りが理由の時もありますが、左右で腕の太さが違う…一部の筋肉がものすごい発達している…などなど、色んな理由で「数値の違和感」が生じます。
単純にサイズデータを入力しているように見えて、ざっと見ると気づきにくい「数値の違和感」に気付くのがまさに職人技なのです!
「数値の違和感」の原因を分析し、再採寸の必要があればお願いし、培った経験に基づいて調整をしたりします。

お客様から頂いたデータを、必要に応じて微調整しながら入力していくのですが、さらに言うと、お選び頂いたウェットスーツの「ジップタイプ」「使用する生地の種類」などによっても細かく細かく微調整して型紙は作られています。

あまり詳しい事は企業秘密とさせていただきますが例えば、「バックジップ」と「チェストジップ」では着脱時の動作が違います。
「バックジップ」は脱ぐ際の動作が、セミが羽化する時のような動きであることに対して、「チェストジップ」は片腕を抜いてから肩を出す動作をしなければなりません。
この時に両方が「同じ大きさ」だと、腕を抜く動作ができず「チェストジップ」は脱ぐことが出来ないのです。ですので「チェストジップ」は「バックジップ」よりも、少し肩周りや胸周りに余裕を持たせるように調整し、型紙を作成します。

 

 

そのようにして作成された型紙は、次の工程「生地取り」に進みます。
「生地取り」と言う言葉は、あまり聞き慣れないと思いますが「型紙を生地に書き写す作業」です。

プロッターから出力された型紙をパーツごとに振り分けます。

そして型紙を生地に書き写して完了!

 

「…え?型紙を書き写してもう完了?職人技は…?」

 

って思いますよね。
実はここでも、すでに多くの職人技を駆使しているのです!

使用する生地を間違いなく用意する。と言ってしまえばそれだけの事なのですが、生地の種類は実に100種類以上!

ここにも!

ここにもっ!

さらにここにもっ!

 

100種類の生地を複数枚ストックしているので、工場内には膨大な枚数の生地があります。
この沢山の生地の中から、間違える事なく生地を選ぶ事も容易ではありません。
もちろんきちんと整理整頓をしなるべく分かりやすいようにはなっていますが、担当する職人は「何がどこに何枚あるか?」をいつも把握しています。

実はウェットスーツの生地には「伸び方向」があるんです。縦と横で、僅かではありますが伸び率が異なります。

以前と比べると、生地もかなり柔らかくなりましたよね。言い換えれば「よく伸びる」ようになりました。
しかし伸びればいいと言うわけでは無く、あまり伸び過ぎてしまうと着用時のフィット感が失われてしまいます。
サーフィンをする際の身体の動きを考え「よく伸びて欲しい所」と「フィットして欲しい所」を区別する必要があるのです。
その運動性を考慮した上で、全てのパーツに「どちらの方向で使用するか」が定められているのです!
具体的なことは、またまた企業秘密ですが…。

決められたルールに則って型紙を生地に書き写しますが、ただ適当に書いてしまっては生地の無駄が出てしまいます。
上の写真のようにキレイに無駄なく、しかも方向にも気を付けながら生地取りをします。担当職人はきっと「テト◯ス」も上手でしょう。

そんな「生地取り」の作業風景を動画にしてみました。よろしければこちらもご覧ください。

工場見学の副産物として「見学した物への愛着」が生まれる…なんてありませんか?
私もしばらくは、買うもやしが決まっていました。母が違うもやしを買ってきた時には「これじゃないっ!!」なんて。

このブログを読んで頂いた方ですでにウェットスーツをお持ちの方には、そのウェットスーツに一層の愛着を持っていだけたら嬉しいです!
そしてまだDOVEのウェットスーツをお持ちでない方やご購入をお考え頂いてる方にも、こんな風に作られてる弊社のウェットスーツに興味を持って頂き、あなたのパートナーにお迎えいただけると幸いです!

さて、今回の工場見学のおみやげです!
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