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マッドテーラー
開発ストーリー
MAD TAILOR’S STORY

日本のウエットスーツの歴史を作ったDOVEが
革命を起こす。

DOVEの歴史は日本のウエットスーツの歴史でもあります。1975年の創業以来常に新しいアイデアを形にしてきました。そんな我々でも超えられなかった一線、それが「系統だったテキスタイル理論」をウエットスーツに取り入れることでした。いままでウエットスーツは経験とアイデアを形にする手法で作られ、そこには被服学という認識や科学が存在していなかったのです。

テキスタイルの一流デザイナーにサーファーがほとんどいないこともあり、ウエットスーツの進化は遅れてしまう。しかし 2016 年より DOVE は卓越したファッションデザイナーでサーファーでもある信國大志氏とプロジェクトを組み「ウエットスーツというもの」を作り直す決断をいたしました。DOVE のフラッグシップ「マッドテーラー」の誕生です。

ファッションと一口にいいますが、機能とスタイルを完全に両立させる必要があるのがスーツです。その中でもアクション映画「キングスマン」で出てくるテーラーメイドの英国スーツは、スマートで洗練されたラインと、激しい動きにも耐えうるようにデザインされる技術の結晶であります。テーラーと顧客は注文から何度も話し合いながら仕立てていく、このノウハウと経験は必ずウエットスーツにも活かせるはずだ。その思いから始まったプロジェクトは、まさに新しい発見の連続でした。

正直、当初は戸惑いもありました。しかし信國氏のテーラーとして培った経験とデザイナーとしての目線での斬新な提案は、わたしたちを震えさせました。開発テストを繰り返していくうちに今までとは違う、着心地、機能性、ファッション性をそなえた新時代のウエットスーツの誕生を全員が確信しました。

長年培ってきた
チェストジップシステムを昇華させる

信國氏のテーラーリングの特徴である、ダーツ(立体的に仕立てるためのカッティングやパターンメイキング、縫い消しの技法)などの縦割りのカッティングは、胸の前後にボリュームを持たせることにより、着心地もよく、シルエットもよくなり、スタイリッシュになりました。

ここに DOVE がメーカーとして経験値を積んできた、チェストジップシステムが大きく寄与することになります。今までのウエットスーツは水の侵入を防ぐため、かなりピッタリとしたサイズで作られてきました。しかし、首からの浸水を防げるチェストジップが登場したことにより、サイズにゆとりを持たせることが可能になっていました。まさに、DOVE の経験値と信國 氏の経験値が融合できた瞬間でもあったのです。

盲点だった呼吸改善!
呼吸がラクになり何時間でも
サーフィン可能に

今までのウエットスーツ(主に既製品)は平坦なものが主流。前面、後面のパーツを張り合わせて製造しますが、テーラーリングでは、緻密に立体感を持たせます。胸周りにゆとりを持たせることにより、肩などの可動域が広がり胸部を立体的にすることにより呼吸が楽になり疲れにくくなります。これは従来のウエットスーツの製法では実現できなかった大発見だったのです。

サーフィンをしている状態に近い形状で体全体を立体的な型紙にすることで、ストレスを軽減させることに成功。肋骨周りにゆとりを持たせ、可動域を広げる型紙にしたことによりパドリングの負荷を減らしました。そしてテストを繰り返す中、あることを発見したのです。

「サーファーは呼吸で疲労している!!」

呼吸が苦しくなると身体全体へ酸素が行きわたらなくなり、筋肉の疲労にもつながる。この改善が画期的なウエットスーツへ「マッド テーラー」の誕生へと繋がっていきました。この「呼吸改善」は、いままでのウエットスーツの大きな盲点でした。マッドテーラーを着ている限り、息が苦しくなることはもうないのです。

膝の動きも改善し、
テイクオフ時にスッと足が出る

スーツのテーラーの際には、下半身を特に大事に考えます。大切にしているふくらはぎなどのボリュームや膝のカーブに合わせた仕立て、これをウエットスーツでも実現させました。テーラーの仕立てでは、ふくらはぎ、胸、肩甲骨などの部分のアイロンワーク(人間の体の形状は複雑であり、腕や足も均一ではなく背中も平面ではない、そのため、型紙通りに裁断した生地をアイロンワークにより調整を行う)が重要だと言われています。そのアイロンワークと同じ手法をカッティングに用いました。

この製造手法によりテイクオフ時の足の引っ掛かりが軽減された。またお尻部分の自然なカーブにそった型紙で仕立てることにより、よりテイクオフ時の動きをスムーズにすることができました。テイクオフと同時にストレスなく足が出て、早いテイクオフをすることが可能となりました。体が動きにくい冬のサーフィンでは明確な差が出ることでしょう。素材は、特殊ナイロン中空糸を使用し、超軽量、高伸縮、保温性の高い「MX7」の特徴をそのままに起毛感を出し、水切れを良くした「SP1」を採用しております。

マッド・テーラーの恩恵を感じるべき
愛すべき人たち

正直に言いましょう。体力もあり、線も細い若いサーファーにはマッドテーラーは必要ないかもしれません。本当にこのウエットスーツを必用とするのは、何年も、何十年もサーフィンを楽しみ、成熟期に入ったサーファーです。冬には重くなったウエットスーツの負荷にあえぎ、それでもサーフィンを一生の友としている愛すべき人たち。マッド・テーラーを着用することで、体の線は若返り、スタイリッシュになり、呼吸は楽に、パドルも軽くなる。なによりテイクオフで足が抵抗なくスッと出る。マッドテーラーはあなたのサーフィンを10年若返らせ、これからサーフィンできる年数を 10 年伸ばします。

あなたのこれからのサーフィンは、マッドテーラーと共に。

信國 大志
NOBUKUNI TAISHI

1970年 熊本県に生まれ。1992年、渡英しビスポークテーラー「チャーリー・アレン(Charly Allen)」の下で英国伝統のテーラリングを修得。1994年、渡仏しジョン・ガリアーノ(John GALLIANO)の下で働く。1995年、再度渡英し、セントラル・セントマーチンズ・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン(The London Institute Central Saint Martins College of Art and Design)の修士過程へ入学。96年、修士過程を修了。卒業製作が「Daily Telegraph」誌に掲載される(テーマは枕草子)。同年、日本に帰国。98年、ロンドンコレクション期間中に初のランウェイショーを行う。同年、国内で初の展示会を行う。2000年8月、東京にオンリーショップ「TAISHI NOBUKUNI TOKYO SHOP」をオープン。2004S/Sより、タケオ・キクチ(TAKEO KIKUCHI)のクリエイティヴ・ディレクターを務める。2008S/Sには、ブランド名を「ボタニカ・タイシノブクニ」に変更し、パリのマレ地区のギャラリーで単独の展示会を開催。
公式サイト http://www.taishi-nobukuni.co.jp/

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