先日行われたJPSA All Japan Proで優勝を果たしたDOVEライダー村上舜
初日から決勝までの総てをカメラのファインダーを通して一部始終を見続けた
波伝説 / ワッツアップサーファーズでお馴染みの
千葉在住のプロカメラマン神尾光輝氏からのレポートです。
Shun Murakami Victory of the Story & Interview / by Mitsuteru Kamio
2015年8月25日〜30日 50th NSA 全日本サーフィン選手権JPSA オールジャパンプロが
千葉県いすみ市 太東海岸〜千葉県長生郡一宮町 釣ヶ崎海岸にて行われました。
大会期間中、台風16号からのウネリが続きハードなコンディションのなか、総勢1200以上の
サーファーが熱い戦いを繰り広げました。
まず、この大会の見所としてメインスポンサーであるブルーエコシステムによる「太陽光パネル
設置による自家発電クリーンエネルギー」開催での試みが話題になりました。
しかし、期間中の悪天候でその試みが達成出来なかったことは、主催側、開催側、スポンサー側も
心残りな結果となりましたが、世界中でも試みたことのない「スーパーエコロジーなサーフィンコ
ンテスト」に挑戦したことは賛辞を贈るべきことだと思いました。
NSA創立50周年記念で、JPSAと同時開催という国内最大のサーフィンコンテストになりました。
ここ釣ヶ崎海岸は、通称「志田下ポイント」最近では「波乗り道場」と言われるようになり
昔からプロサーファーやローカルサーファーが切磋琢磨して来た場所で、
2009年以来の開催となった。
そして、ファーストラウンドから激しい厳しい、ハードなコンディションでスタートを切った
JPSA オールジャパンプロ。
そんな記念すべき大会で見事優勝したのは我らが DOVE TEAM のジュニア世代筆頭、村上舜だった。
舜は世界を視野に活動して来て、国内ツアーでのイメージが薄かった。
この大会は自身がプロ公認されて初めてのエントリー、本人もそれなりの思い入れがあったはずだ。
無難に勝ち上がりラウンド4、波も「プロサーファーならでは!」のパワービーチブレイク、
見ていてリズムに乗ってるアゲアゲなサーフィン、最後のエアリバースの歓声はすごかった。
最終日、波の状況はほとんど変わらず、時よりサイズアップしている。
恐らくラウンド5がひとつの山場だと思う、これに勝ってマンオンマンに進みたい勝負どころ。
舜のいいところは、波を見る目がいい、それにスコアできる波を選ぶのがうまかった。
今回、国内ツアーで改めて「村上舜」というシグネチャーサーフィンを植えつけたと思う。
このコンディションでの争いは、真の実力勝負だったと思います。
正直、舜のこのコンディションでのバックサイドサーフィンにイメージが薄かったので、
サーフィンキレキレでびっくりしました。
コンパクトなバックハンドバレルをメイク。これもハイリスク、ハイスキルな一本だったと思います。
ファイナルは強敵強靭ナカムラタクミ、同じ世代の対決。
最高なステージで、とにかく会場全体が最高潮な盛り上がりの中に良い緊張感が流れていました。
二人を見ていてサーフィン自体の差はなく、今回は舜の方が、いい精神状態でいい流れをつかみ、
運気をつかんでしっかりメイクした、という コトだと思いま すが、舜の勝負強さを感じました。
舜を見に集まった関係者、スポンサーも緊張感高まっていたが、優勝して涙ながらに喜んでいた。
一番の理解者である戸倉さんも感慨深いものがあったはず、おそらく戸倉さん自身にも何か?!
スイッチが入ったに違いない。
舜は、自分が勝てば周りはもっと喜んでくれる、コトを改めて知ったと思う。
以下インタビュー
Kamio : この試合に対してのモチベーションは?
Shun : 今回のオールジャパンは、プロ公認になって初めて出る試合でしたけど、あまり深く考えず、
とにかく集中してヒートをこなす感じで、その中からいい波に乗ることだけを考えていました。
ラウンド1からの出場でヒート数は多かったですけど、逆にそれがいい方向に行ってサーフィンの
調子を上げることにも繋がったと思います。
あと、いきなり賞金が上がってかなりやる気が出ました!!(笑)
Kamio : ヒートこなして行って思入れのあるヒートは?
Shun : 「このヒート」というのは意識しなかったですけど、やっぱり予選の4人ヒートよりも
クウォーターからのマンオンマンのヒートがおもしろく、予選からファイナルまで自分のサーフ
ィンが出来たと思ってます。
Kamio : 今回使用していたボードは?
Shun : マッチさん(中山徳彦)のシェイプボードなんですが、2本WQSのバージニア用に
シェイプしてもらって、どんなコンディションでも調子が良くて、とにかくサーフィンするのが
すごく楽しかったです。
Kamio : ヒートを進めて行く上で作戦、タクティクスとか考えていた?
Shun : 正直、作戦とか全く考えていなくて、とにかくいい波、スコア出来る波を見つけてメイク
する、そこに集中していました。基本的に、ジャンクなクローズアウトする波が好きなコンディ
ションなので、試合前からかなり練習していて自信ありました(笑)
Kamio : ファイナルは同年代のカレントリーダーのナカムラタクミだったけど意識した?
Shun : タクミは、すごくやりづらいタフなサーファーで、試合運びも上手いから、その分気合いも
入ったし勝ちたい気持ちが強かったですね。
ファイナルは、前半にタクミにうまくまとめられて、追いかける立場になり、逆転して逆転されて
のシーソーゲームだったんですけど、自分で感じるポイントとしては、7点以上必要な時にタクミ
とパドルバトルしてプライオリティ(優先権)を取れたことはとても重要だったと思います。
結果、プライオリティをうまく使ってスコアできる波に乗れてしっかりメイクでき、自分に有利に
試合運びができ勝てたと思います。
Kamio : 勝利してどんな気分?
Shun : 率直にめちゃくちゃ嬉しかったです!!もう感謝を伝えたい人達が思い出されて、とにかく
「ありがとうございます!!」と言う気持ちでした。正直、試合に勝てない時期があって、自分な
りに考えることもありました。
そんな時に戸倉さん(DOVE SURFING WETSUITE 創始者)にも相談して、でも怒られることもなく
ひたすら励まされて精神的にいい状態を保てていたことは、すごく有り難かったです。
改めて、スポンサーの皆さんと家族、地元でお世話して頂いて来た人達に感謝します。
Kamio : 今回のJPSA ALL JAPAN に出てみて感じたことは?
Shun : 今回はギャラリーも多くて、日本で勝利する、ということの意味が解った気がします。
周りの人達が自分が勝利することで、こんなにも喜んでもらえるということは、自分にとっても
すごく嬉しかったです。
また、今回は自分のサーフィンに対して、日本のジャッジの方々がいい印象でスコアしてくれた
ことは自信にも繋がったし、とても感謝しています。
Kamio : 今後、今年の予定は?
Shun : まず、週末の大洗、来週の新島、JPSAイベントにエントリーしています。
その後は、フィリピン、ブラジルとWQSに挑戦しに行く予定でいます。
あくまでも、自分の目指している目標は「世界挑戦」なのでそこに向けて準備して
挑戦したいと思います。