ハワイから帰国した脇田貴之プロへインタビューしたいろんなエピソードを連載しているシリーズ。
今回は第4話/坂本昇氏・ヨーガとの出逢い。
昨年公開された “WAKITA PEAK” ドキュメンタリー映画の中で、脇田プロがヨーガをやっているシーンをご覧になられたと思いますが、長年に亘りビッグウェーブチャージに挑む背景で密接に関係するヨーガについてのお話です。Photo : “WAKITA PEAK” ドキュメンタリー映画
脇田貴之プロ・インタビュー ・第4話 / 坂本昇氏・ヨーガとの出逢い
DOVE : 脇田くんは、ヨガをやっていますよね?それは波乗りに凄く効果的ですか?
音声動画をご覧ください ↓
脇田プロ:究極は瞑想なんですよ。要は大法とかじゃ無いんですよ。最後は瞑想に入って、その自分の体の中に入っていく訳ですよ。で、それをやるともう目をパッと開けた時のその感覚が、海に入ってサーフィンして上がってくる感覚が凄い似てるんですよ。Takayuki Wakita/ Photo: Naoya Kimoto
DOVE : ん〜奥が深い!!
脇田プロ:そうなんですよ。
脇田プロ:で、僕、前に坂本さんじゃなくて違う方に、坂本さんに内緒で教わってた時期があったんですよ。
DOVE : その事って坂本さんは知っているの?
脇田プロ:この事を坂本さんに言うと怒られると思って言い出せない時があって、坂本さんが住んでいる八丈島に当時戸倉さんと一緒に行った時に、戸倉さんが一緒だから正直に言っても大丈夫かなって思いながらも怖くて言い出せなくて・・・
DOVE : あっその話以前、チョコっと戸倉さんに聞いたことあります。
脇田プロ:そうなんですよ!!なんでかと言うと、その行った際、坂本さんと一緒にヨーガを一緒にセッションしてる時に、今まで坂本さんとだけやっていた時は坂本さんと同調していけるのに、違うヨーガをやるのでちょっとだけリズムが狂っちゃう時があったんですよ。
脇田プロ:で、坂本さんにすみません!!って打ち明けて、超ヤバかったです!!でもそのあと戸倉さんも居てくれたので、メローダウンされて良かったですけど・・・
DOVE : そんなエピソードがあったんですね。でもずっと隠さず正直に話して良かったと思いますよ。
ここで坂本さんのことを知らない方もいらっしゃると思いますので紹介します。
坂本昇:今年、戸倉会長と同じ歳の70歳を迎えられる。
日本のサーフィン界・初代プロサーファーの一人。
1970から1985年まで湘南・辻堂海岸にてPIPELINE SurfBoards サーフショップのオーナー。また、カリフォルニアに渡りロケットフィッシュなるツインフィンを初めて日本に上陸させた伝説のサーフショップである。
当時は、添田博道氏をライダーに一世風靡されたレジェンドサーファーです。
また、DOVEレジェンドライダーとして戸倉会長と40年以上親交の深い間柄です。DOVE 40thアニバーサリーで祝辞を述べる坂本氏。Photo: Masahiko Yoshioka
乾杯の音頭をとる坂本氏と戸倉会長。@DOVE 40thアニバーサリー / Phpto: Masahiko Yoshioka
Noboru Sakamoto @Bali 2017. / Photo: Mitsuteru Kamio
坂本氏は現在、日本は八丈島に住み一年の半分をインドネシア・バリ島をメインに滞在し、ヨーガの達人・伝道師。今尚も歳を感じさせないチャージとオフザリップ・チューブをメイクするサーファーとして尊敬する憧れの存在です。Noboru Sakamoto. @Keramas.Bali / Photo: Naoya Kimoto
Noboru Sakamoto / Photo : Nobu Fuku photography
バリ島在住のサーフィンフォトグラファーであるノブ・フクさんが以前投稿されていた、2016年にワイメアで行われたエディーアイカウメモリアルコンテストに出場して、坂本氏が脇田プロに贈った感動のメッセージ動画をぜひ観てください。
Nobu Fuku氏が投稿したレポートブログに、その時の詳細と坂本氏へ脇田プロが贈ったメッセージが綴られているので、ご覧ください:https://www.namidensetsu.com/news/ambassador_nobufuku/120701
さて、インタビューに戻ります。
脇田プロ:でも、実はその二人に教えてもらったことに寄るその時の失敗があったんですよ。
DOVE :どういう事なの??
脇田プロ:なんでかというと、その坂本さんに教わったヨーガともうひとりの方に習ったヨーガって、実はその作られたその土地・土地のなんて言うんですかその風土って言うか、それが実はその中に入っていると思うんですよ。
脇田プロ:なので、寒いところで作られたヨーガと暑いところで作られたヨーガって違うんですよ。要は求めてるところが違うと言うか・・・。なので、やっぱりそっちばかりやっててもダメなんです。まっ、ダメって事はないですし、やんないよりは良いんですけど・・・
DOVE : ほぉ~なるほど・・・
脇田プロ:実は約5年間くらいそっちの方に傾倒しちゃった時があって、で坂本さんに教えられた事をやらずに居たら、最終的に自分に来ちゃったんですよ。
DOVE : 自分に来たというのはどう言ったことですか?
脇田プロ:やっぱりマイナスの面もあるんですよ。やっぱりなんでもそうですけど、プラスの面がある所って実はバランスでマイナスの面も有るんですよ。
Takayuki Wakita Pipe Masters. 2018 / Photo: Naoya Kimoto
DOVE : なるほど。
脇田プロ:なので、今思えば坂本さんに教わったヨーガをやらない時期の怠けちゃった時にそれで体を壊してしまってそのマイナス面が来ちゃったんですよ。
DOVE : すごい体験ですね!!
脇田プロ:それを振り返って思えば、あ~坂本さんのヨーガって実は凄い基本的なヨーガで、サーフィンもそうじゃないですか上手くなれば上手くなるほど基本がすごい重要になってくると思いますし。なので、あ~やっぱあれを続けていたらこういう風になっていなかったなぁ~って凄い分かったんですよ。
DOVE : ヨーガで体感した自分の悟りみたいな・・・
脇田プロ:なので、あの5年間の時にその方と坂本さんのヨーガを同時に並行してやっていたら凄い良かったんじゃないかと思います。怪我もなかっただろうし・・・
DOVE : ヨーガは体で吸収し進化していくんだなぁって感じます。
脇田プロ:でも今は、坂本さんのようにサーフィンをずっと続けていきたいし、自分も同じ考えなので、そこまで傾倒してやんないで坂本さんに教わったヨーガだけをやっています。ほんとサーフィンの為に・・・
脇田プロ:坂本さんも言ってましたけど、サーフィンとヨーガって密接に関係してて、サーフィンて健康じゃないと出来ないじゃないですか。あそこが痛い・ココが痛いじゃ満足にサーフィン出来ないですからね。
DOVE : 解っちゃいるけど自分は何もやっていないので、そこら中悲鳴をあげながらやっています。笑
脇田プロ:ヨーガをやっているとホント健康でいられるんで、ずっとサーフィンが続けられるんですよ!!大切ですよ!!
DOVE : そう言った背景があるから、あんなビッグウェーブにチャージできるんですね。Takayuki Wakita. Second Reef @ PipeLine 2018-19 / Photo : Naoya Kimoto
脇田プロ:さっきの話に戻るんですけど、海に入って出てきた時の感覚がヨーガと同じ感覚になるって言うのは、なんでかと思ったんですよ。
脇田プロ:それは、海って自然のものじゃないですか、人間も自然のものなんですよ。人間って自然の一部なんですよ。機械じゃないんですよ・・・
DOVE : 確かに・・・Takayuki Wakita. Tuning with nature / Photo : Mitsuteru Kamio
脇田プロ:手とか足とか膝とかひとつのパーツでは無くて、ひとつの身体全部が自然と繋がっているという感覚でその中に瞑想っていうのが人間の中に入っていく考えです。坂本さんがよく言ってたんですけど、自分の中の小宇宙と大宇宙を繋ぐことが瞑想なんだと・・・ホントにその通りで、自分の身体の中に入っていくと無限に広がるんですよ。その時に目をパッと開けた時の感覚が海に入って上がってきた時に感じる感覚と同じだと・・・
脇田プロ:最後に、あともう一人の教えてもらっていた先生が言っていたことなんですけど・・・脇田君ね、地球上でね瞑想をやる人が増えれば増えるほど地球が平和になっていくんだよって言ってました。なのでサーフィンをやっている人も増えれば増えるほど地球が平和になっていくと思います。
DOVE : 素晴らしいお言葉です!!自分もこれからヨーガを勉強してやっていかないと長いことサーフィン出来ないんじゃないかと思うので、少しづつやらなければと痛感しました。素晴らしい貴重なお話をありがとうございました。
そして最後に、脇田プロの話は心底から出てくるピュアな思いが聴こえてきて、真なる本物のサーファーだと尊敬の意を評します。
未だヨーガをやられていない世界を目指す若手コンペティターや体力の限界を感じられている方々は是非やった方がいいかもしれませんね?!何故なら総てに於いてプラスになるのではと思いますから・・・。
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