2026.02.18 | DOVEライダー ブログ

今回のピアヒ狙いでマウイ島に移動したのは2月1日から。
その前からずっとピアヒのチャンスは伺っていましたが、今年は雨が続き、なかなか波が上がらなかったり、上がっても上がりきらなかったり、ちょうどいいタイミングではノースショアで開催される Da Hui Backdoor Shootout にクレジットされていたことをもあり、ウェイティングがかかってしまったりと、タイミングがうまく合わず行けずにいました。ふと波浪予想を見るとピアヒを狙えるスウェルが来そうだったので、そこからが色々と大変でした。
まず一人で行くにあたって、ノースから空港までの移動手段、到着後のピックアップしてくれる人、宿泊先、セーフティーをどうするか?を考えたりと。その間にマウイに滞在している岡崎トモコさんに連絡を取りながら情報を得て、いろいろな予報と情報を合わせ、2月1日マウイ着で3・4・5日狙いという形でマウイ島に向かうことになりました。
ノースからのピックアップは前田さんにお願いし、無事空港へ、そこからマウイへのフライト。マウイ到着後はトモコさんが急遽迎えに来てくれることになり、今回宿泊の提供とセーフティーを共にしてくれる、ピアヒのトーインライダーでありローカルジェットスキーセーフティーでもあるピアヒフイことダニエルさんの自宅へ送ってもらいました。そこから5泊6日のマウイ生活を過ごしました。
そこで奇しくも、まさかの再会がありました。
高知を拠点とするピュアビッグウェーバーの 小堀健太郎さんが数週間前から滞在していて、本当の単独でピアヒを狙い、その土地のカルチャーや学びを得ながら過ごしていました。僕はケンタロウさんが借りている部屋にお邪魔させてもらう形で、一つ屋根の下、共同生活で、共にピアヒ狙いの生活を送りました。
マウイ到着初日は、ダニエルさん宅に着くとケンタロウさんがダニエルさんの手伝いをしてから帰って来て、軽く汗を流しに行くような感じで「一緒に海に行こう」と連れて行ってくれました。ホキパというポイントで軽く入り、ファンサーフを楽しみました。久々に会う人達の顔が新鮮に感じられ、なんとか無事ここまで辿り着いたという気持ちで初日を終えました。
2日は移動やノースでのサーフィン、荷造りの疲れが残っていたのか、とにかく眠くて仕方がなく。朝からマウイも爆風でどこも良くなくて、明日からはウネリが届いてサイズアップ予報だったため、ボードやウェット、必要な物をリュックに詰め込みながら準備をし、明日のことを考えつつゆっくりとしたリラックスデイになりました。
3日の朝、起きると風は相変わらず強く、良くないような雰囲気でした。朝の段階ではまだサイズアップしていない様子で、夕方狙いかという感じでケンタロウさんとダニエルさんが色々と相談していましが。自然の流れに身を任せるしかない、という気持ちでした。
ダニエルさんの犬の散歩に一緒について行き、道中海を覗くと、波は大きいのですが、風を喰らって面が良くありませんでした。「今日はダメなのか?」と思いながら家に戻り、昼ごはんを食べて、ぐだぐだしながらうたた寝しそうになっていました。
午後2時過ぎ頃、最終チェックで海に向かうのかダニエルさんに聞いたところ、僕たちの「行ってみたい」という気持ちもあってか、「向かおう」ということになり準備を始め、ジェットスキーを車に繋ぎ、パドルボード、トーインボード、各自必要な荷物を荷台に積み込み、ハーバーのマリコベイへ向かいました。マリコに着いた瞬間、ぞくぞくと人が集まり始め、4〜5チームほどになり、他のライダー達やセーフティーチームがジェットをハーバーに下ろし始めました
ダニエルさんのジェットを下ろす準備をしながら、僕たちもパドルボードとトーインボードを用意していると、サンセットでもよく見るピアヒライダーのトレバーさんが僕たちを見て、「今日のコンディションでパドルは難しいと思うよ」と優しく教えてくれてマリコを見ると、風で激しく面が揺れ動いていました。
状況を確認しケンタロウさんと顔を見合わせて、経験値の高いトレバーさんの言うことは聞いておいた方がいいと思い、トーインに専念してパドルボードは盗まれないよう草むらに隠して置いていくことに。
そして、風と波で荒れるマリコベイにトーインボードを積んだ僕たちのジェットを下ろし、荒波の中のピアヒへ向かい始めると、水が激しく動き、でかいうねりがボコボコと押し寄せる海を感じながら進んでいくと、横には大きな鯨が現れたりと、大冒険のような感覚でした。
ポイントに着くと、ぱっと見ただけでも確実に20ftはあるサイズ感。ただ風が吹き荒れ、面はガタつき、ウネリの向きも絶妙に合っていない。お世辞にもグッドコンディションとは言えない雰囲気で、バラつきながらもデカい波が入り、時折20ftを越えるお化けのようなセットが来るという状況で様子を見ていると、すぐにダニエルさんが「どっちから行く?」と聞いてきて、
え?もう行く感じですか?と思いながら、僕はトーインは初めてのトライで、一応ダニエルさんから受けた講習トレーニングで手順はなんとなく分かってはいるものの、実際にやったことがないので正直あまりわからないという気持ちで、ケンタロウさんは数回ほどの経験ならあると聞いたので、少し考えたのち、「先にどうぞ」と譲り先に行って貰いました。まずはケンタロウさんのライディングを見てイメージしようと思ったのが自分の作戦でした。
ダニエルさんがいきなり波を見つけたと合図し、同時にジェットが走り出して、後ろにロープを掴んだケンタロウさんが引っ張られて、押し寄せる波のスピードと引っ張るスピードを合わせ、そのままタイミングよく手を離してケンタロウさんは波に乗って行った。
それを見ながらなるほど、ああいう感じかと思いながらも、初めての試みで「いきなりこの波でやるのはやばいな」と少し感じていました。その間にもケンタロウさんは何本かメイクして行き、次は僕の番に。緊張しながら海に降り、ボードのストラップに足を通し、体を横向きに倒した状態でトーインロープを掴み、波を待つ。
早くもファーストウェーブ。波が来たら合図を送り、ジェットが走り出すと同時にロープが引っ張り、体とボードの向きを縦向きに変え、体を起こして走り出す。あとはジェット操縦士ダニエルさんの引き手の技術で波を選び、追いかけていく。ゆっくりスピードが上がると同時に、波がどんどん盛り上がり大きくなっていくのを感じ。次第に波のフェイスが広がり、視界の中心を走っていたジェットが徐々にショルダーへフェードアウトしていく。その遠心力を使い、波のスピードに乗った瞬間にロープを離してテイクオフ。
最初の一本でいきなりマニューバのような感覚で動かそうとすると、慣れないラフコンディションと初めて乗るトーインボードということもあり、ものすごいバンプで吹き飛ばされそうになりながも。次はもう少し違うイメージで乗ろうと考えながら続けていくと、そこから慣れてきた事もあってか気づけば何本もメイク。
次はケンタロウさん、次は僕と交代でトーインをして、途中膝を痛めていたケンタロウさんは痛みがひどくなり見学に。その間にもたくさんの波に乗れ、面白くなってき頃にセットも中々来なくなり、日は暗くなり始めたので、帰ることにしました。今思い返してみると、何度かマウイには来ているがいつも偶然、最高なタイミングで来ていただけであって、今回何げに初めてのラフコンディションで、初めてのトーインはとてもいい経験になり勉強にもなりました。
その日の夜、晩御飯を食べながらセッションの振り返りをして、翌日の作戦として朝イチを狙おうと意気揚々と話していると、ダニエルさんからいきなりニュース。
ノースにいる男女がピアヒを狙って今からこの家に来るとのこと。明日のトーインをお願いされているらしく、詳細を聞くと、女の子はレッドブルチームで彼氏はチリのビッグウェーバーらしく、ダニエルさんはセーフティーとしてしっかり仕事をするために動くらしく、セーフティーも居ない為、まさかの僕たちは朝連れていけないとのこと。ガビョーン。
どうするどうすると、ケンタロウさんと2人で考えて、崖を降りたクリフジャンプから入るかなどなど頭を抱えて考えながら、そのまま就寝しました。

4日目、朝一に起きてケンタロウさんがダニエルさんと話をしていて、ジェットが出せるか、マリコの様子を見てきてほしいと言われ、チェックに向かっていると、風は落ち着き、面も前日より整っていた。状況次第ではパドルコンディションではないか、と考え始め、気になって仕方がなかった。マリコに到着して海を見ると、昨日ほど荒れておらず、出ること自体は難しくなさそうだった。ダニエルさんにテキストで状況を伝える。風は合っている。サイズはやや下がっている印象だが、波はありそうだった。
気になって居ても立っても居られない状態になり、ケンタロウさんがピアヒ見に行ってみよう!となり、車で行けるところまでドライブして、そこから歩いてものすごいボコボコ道を30分程かけて歩き、ようやく海が見えてきました。四駆の車も何台か止まっていてサーファーたちもちらほらいるが、いざチェックポイントから海を確認すると、風向きは悪くないがしかし、サイズが思ったより小さい?予報では上がるはずだったが、むしろ落ち着いている印象で、しばらく観察すると、たまに入るセットも昨日ほどの惚れ上がる迫力はなく、波は少し不完全だった。スウェルはばらつき、NピークとWピークは分離状態。風だけがそれなりに整っている状態。
そんな中、ジェットスキーが8〜10台ほど中型の船が一台とスタンバイしていて。ラインナップにはジェット1台のみが入り、ひたすらトーインで波に乗乗りまくっているライダーがいた。よく見ると、異次元のターンでフェイス切り刻んでいたのは、カイ・レニーさん。さすがの技量でした
しかしラインナップには、たった1人のトーインだけで、サーファーは誰も浮いていない。集まってくるのはトーインサーファーのみ。今日はクリーンなトーインセッションの日であって、自分が狙っていたパドルコンディションではなかった。昨日から考えていたパドルコンディションのザデイなのでは?と気になっていたモヤモヤは、自分の目でしっかり確かめて納得し、なんとか見切りがつきました。
その後、家に戻るとチリから来たビッグウェーバーのカップルが居たので挨拶を交わして。彼らはピアヒへ向かって行った。自分たちは「ピアワン」が良いという情報を得てチェックに向かったが、到着した頃には風が強まり始めていた。前日のトーインの疲労と筋肉痛もあり、アウターリーフまでの長いパドルを考えると気持ちは上がらず、チェックのみで帰宅し休息を取った。
夕方、チリの人たちが帰ってきていて、話すと、彼氏はチリ出身のビッグウェーバー、マルティン・フエンサリダ。彼女はフランス出身のビッグウェーバー、ドミ・シャリエ。
ドミさんはレッドブルチームの一員で、マルティンさんもチリを代表する実力者。若い2人は、大きな波を求めてノースへ渡り、各地のビッグウェーブポイントを巡っている途中でマウイの情報を得て来たという。
夜はみんなで晩御飯を食べていて、話を聞くと、彼らもトーインで良い波に乗れたとのこと。明日はパドルセッションを狙いたいと話していた。自分たちも同じ狙いだったので、一緒に行動し、朝一の風が合う時間帯を狙ってパドルサーフィンをすると作戦を立て、翌日に備えて就寝した。

5日目の朝、いよいよ僕にとって狙ってきたお目当てのパドルサーフィン。予報では少しサイズは下がっている模様だが、風は良好。前日から用意していたボードや荷物を車に積み、朝ごはんを少し食べ、皆んなが準備でき次第出発した。
道中に見えるホキパでは風も弱く、まだそれなりのウネリを保ったクローズセットが割れていた。期待を胸にマリコに到着すると、もう一台のジェットが、それにはダニエルさんが4人のサーファーの面倒を見るのは無理なので、助っ人として同じ名前の凄腕ジェット操縦士のダニエルさんを呼んでいた。ダブルダニエルさんのジェットに2人ずつ乗ってセーフティーをお願いする形で、話を進めてすぐにウエットスーツに着替え、必要な荷物とボードを準備してジェットをハーバーに下ろし、いざ出陣。
ジェットで走っている最中、一見穏やかに見えるが波はしっかり割れているのかな?と考えてる間にピアヒ到着。そこには誰もおらず、風も少なくクリーンコンディションで波がブレイクしていた。まだセットは確認できていなかったが、誰も来ていないし、風が合っている間に入りたかったので、ケンタロウさんとジャンプイン。ピークに向かうやいなやウエスト寄りに波が一本入って来て、いきなりファーストテイクオフをメイク。この一本はそこまでのサイズ感ではなかったものの15ft程のもの。
マウイに来て目当てのポイントでのファーストライド。ここから僕もやる気が出て来て、そこからマルティンさんやドミさん達もラインナップし、ピークに4人貸切のピアヒセッションが開始。そこから皆んな自分のいい波を掴んで、来る波が自分のポジションでバッチリなところにいれば漕ぎまくって乗りまくりました。
そのあとアウトで波を待っていると、大きな波の影が沖に見え、時に向かって手前のウネリを越えるとセット到来。18ft+は確実にある波がメラメラと立ち上がり、ノースの方からでかいチューブを巻きながらブレイク。
僕もアウトで待っていたけど、さらにアウトで割れたのでギリギリでかわしてから、そのポジションでまだ波が来ると思い、少しアウトで待ちながらいると一本それらしき波が来て、板を返して全力パドルで波を追いかけテイクオフ。走り出しはいつもとても早く、ボトムに降りると同時に視界に広がっていく大きなフェイスに向かってボトムターンを仕掛ける。その後ろでは大量の水量が吸い上げられ、でかいリップとなりボトムに落ち砕け散る轟音が鳴り響く。大自然の大きさを肌身で感じながら乗る一本でした。
スピード、パワー、景色。やはりどのクオリティーをとってもワールドクラスで、世界三大ビッグウェーブポイントと称されるポイントだけあって流石の迫力でした。その後も乗りまくっていると、ジェットが3〜4台ほど向かって来て、地元のヤングガンたちがここぞとばかりに入って来て修行をし始め、トーインやパドルで活気が溢れ出しました。
それと同時に風も強まり始め、波も収まりだし、先にマルティン&ドミさんチームは引き上げ、僕たちもやりきったし上がろうと思い、最後の一本をどうしても乗りたくて、粘って引っ掛けた一本がウエスト気味でショルダーが張って来たのでチューブになるかなと思いボトムターンを早めにしてバレルを狙おうとするも、思いのほか波が惚れ上がらず、やばいと思いボトムに向かおうと切り返して降りようとすると、リップに後ろ足を払われワイプアウト。一瞬でかなり底まで巻かれ、水面へ上がってくるとセーフティーに拾われる前にもう一発喰らって、ぐるぐる巻かれて上がってくるとセーフティーがまた来てくれました。
次の波が来る前に素早く捕まらないとと思いながら、ボードは引っ張られていたので僕だけジェットの後ろのスレッドにしがみついて引っ張ってもらうと、あれ?やけにボードを引っ張っているリーシュが軽いと思い、後ろを見るとボードが真っ二つに。ガビョーンと思いながらも、流石ピアヒ、お土産パンチを最後の最後でかまされました(笑)。折れたノーズを探していると、ジェットに乗った少年たちが拾ってくれていました。それをキャッチし、その後ケンタロウさんをピックアップして、ハーバーに戻りジェットを引き上げて、ピアヒセッションは幕を閉じました。
帰宅後。マルティン&ドミさんはノースに戻る準備をして、皆に挨拶をして素早く帰って行っていきました。
その後の夕方はケンタロウさんの友達と会いに行ったり、軽く違うポイントで泳いだりサーフしたりと楽しい時間を過ごし、美味しいご飯を食べ、その日の出来事をみんなで振り返りながら話して、大いに盛り上がりました。
それからみんなとの時間も終わり、夜中に荷造りをし6日にはケンタロウさんに空港まで送って頂きフライト。ホノルル空港につくと前田さんにピックアップしてもらい、帰り道のお昼に美味しいテールスープを食べてノースに帰りました。

このマウイ島への旅とサーフセッションを通じて、いろいろな人に出会い助けてもらい、これから先に繋がる多くの新しい経験や楽しい思い出がいっぱい出来ました。自分の行きたい!と思う波にチャレンジ出来たのは、皆さんのお陰です!
ピックアップしてくれた前田さんや岡崎さん、ジェットセーフティーや家に泊まらせてくれたダニエルさん、共同生活やサーフバディとして色々なポイントや場所に連れて行ってくれたケンタロウさん、一緒にサーフィンセッションできたマルティンさんとドミさん、皆さんのお陰で最高の思い出になりました。前田さん、岡崎さん、ダニエルさんケンタロウさんには本当にお世話になりました!ありがとうございました‼︎
和歌山の南紀で生まれ、家族に海や自然での遊び方を教わりサーフィンを覚えた僕は、プロサーファーになるわけでもなく、アンダーグラウンドでビッグウェーバーを目指して来ました!ここまで後押しし続けてくれた家族やスポンサー様、個人で応援してくれる地元の先輩達や友達、僕のことを知って応援してくれる人たち。そんな皆さんの力をもらって多くの経験ができ、今があります!
皆さん、いつも応援していただき本当にありがとうございます!
これからは、もっと海や自然で遊ぶ楽しさやがあることや、サーフィンには様々なジャンルがある事を知ってもらったり、僕のこういった経験を共有したり、なんらかの形で還元できたらなと思います。それと同時に僕の大きな挑戦と夢はまだまだこれからも続きます!
まだまだここからがスタートで、悪い時もあればいい時もあるし、これはまだ段階。これからも経験を積んで、もっと凄い波に立ち向かえるよう、感謝を忘れず一歩ずつ精進あるのみ!
Underground soul. Pure surfing style‼︎
Mahalo nui loa‼︎
