2021.08.31 | DOVEライダー ブログ
お待たせしました。
お待たせし過ぎたかもしれません。
月刊DOVEブログです。
ご無沙汰してます。宮崎DOVEライダーの山本博也です。
暑い夏のシーズン、宮崎はあまり波がサイズアップしない今日この頃。
お盆過ぎると必ず思い出すのは、2019年8/13、台風10号クローサーでの事故で傷の痕が疼くからでしょうか。
今日は、その日の事を少し振り返ってみます。
2年前のお盆に大型の台風10号が宮崎に迫ってきていた。
当時、青島海水浴場ライフガード副場長をしていた僕は、遊泳禁止判断をして海に向かった。
地元のカレンズポイントには朝からウネリが届き始めていた。
僕はいち早く海に入り、台風のエネルギーを感じに仲間達とパドルアウト。
やけに胸騒ぎがする、危険な台風“クローサー“を感じていた。
何本か、波を乗っていたが、やけにしつこく突っ込む練習をやっていた。
そのうち仲間は先に上がっていた。
そんな時サイズアップしてきて、風も入って面はざわつき、切り立ちサッキーなフェイスとなっていた。
横っぱしりが速そうな、テイクオフが難しそうなセットがやって来た。
当時、難しい波を攻める癖がついていた僕は、無理矢理その波に飛びつく様にテイクオフした。
サイズは、7〜8fくらいか。
そんなにサイズはないが、ささくれ出す様な波のフェイスが、イジワルにも段違いに波がわれ始めた。
降りるラインにセットしてるレールの波の先が、開いて立ち上がり、レールが不安定なまま、前のフェイスが底ぼれして対処しきれずワイプアウトしてしまった。
酷く揉まれたなと思った瞬間、ドスっと硬い尖ったものが僕の右脇腹に突き刺さった。
激痛とともにみずの流れの方に、瞬間的に身体を捩れたので、尖ったものは抜けていった。
その後、スローモーションの様に波に呑まれまくった…自分を必死に落ち着かせていたが、右手が動かなくなってしまい、自分の追った激痛が普通じゃない事を理解しながら…
ようやく浮上したが、セットの為3発以上はその状態で食らったが何時も以上に苦しい!
どうしたんだ?何が起こっている?
ようやくセットが終わり、ボードの上にしがみついたが、右手が動かない。
まだサイズアップの“台風クローサー“はまだ風を取り込み、さらに力を増してきていた。
奇跡的にも、なんとか片腕で洗濯岩に打ち上がることができたが、必死過ぎて覚えていないが、ただ突き刺さった場所と呼吸する度に、肺臓が痛んでいた。
洗濯岩で動けない僕を、撮影していた藤野カメラマンや、レギュラーメンバーが助けてくれた。
流石に肋骨がヒビくらいは入ったぐらいだろうと思い、少し休んでもう1ラウンド入ろうとしたが、仲間から病院に行く様に勧められたので、運転して病院にいくと医者に即入院と言われた。
助骨3本複雑骨折とその下の右肺が突き破れていた。
医師は、命に関わるのですぐ入院の手続きをと伝えてきたが、こちらは頭に血が登りアドレナリンで痛みは感じていなかったので冷静な判断が出来ない状態に入っていた。
医者の隙を見て、僕は病院を飛び出して、またカレンズに戻って車を走り出した。
リベンジに燃え過ぎて、意地でもクローサーのあの波に乗りたくなっていた。
夕方前、ようやく海に到着。波は先程よりも更にワイルドで難しいそうな波になってるが仲間が海でチャージしているのがみえた。
この心臓の痛み、朦朧とする意識の中、「死」の予感も感じながら支度をしようと瞬間、仲間達が止めに入ってくれた。
病院から抜け出した事が噂になり、櫛本さんが連絡してくれていたのだ。
仲間は、ぶん殴ってでも病院に運ぶ面持ち。
ただ止まれないでいた時に、1通の電話がきた。
DOVE会長“戸倉さん“からだった。
電話に出ると、真剣に話しかけてくれました。
“頼むから帰ってくれよヒロナリ。仲間でやってるんだろ、頼むから命を大事にしてくれよ“
そう言われて肩の荷が降りて、倒れる様に仲間に病院に運ばれたのを覚えている。
あの時、あの言霊を“戸倉会長“が必死になって言って無かったら俺の火は消えず、あの台風の波で命の火が消えていたかもしれない。
入院中や退院後、色々考えさせられた。
副場長としてお盆の1番忙しい時期に迷惑をかけたライフガード同僚は、それでも海でリハビリ一緒に海でトレーニングしてくれた。
同時に仲間に沢山迷惑をかけた事をとても反省した。
それ以来、台風のbigdayでの1人で入る事は避けている、必ずBUDYでやる事。
そして、自分の命、仲間の命を大事にする事。
そんなbigwaveのレスキューも含めたプロになりたいと思くおもった!
まだまだ訓練が必要だが、メンタル的な事を教えてくれた、台風10号クローサーの波や仲間、戸倉会長には感謝しかない。
本当にありがとうございました♪
これから台風シーズン。
皆様、どうか無理し過ぎず、俺の様なバカをせず、楽しみながら波に乗っていきましょう。
以上
DOVEライダー
山本博也