2019.04.05 | GALLERY

DOVE STAFF BLOG

DOVEソウルライダー・小森隆志 カウアイ島Trip記 / 「選ばれし馬鹿者と呼ばれて」 第一話

 

ビッグウェーブに魅せられたサーファー。

凡人には到底近づくことの出来ない、次元の違うモンスター波に挑むDOVEソウルライダーが沢山います。その中の一人、宮崎出身のDOVEソウルライダー・通称 “コモタカ”こと小森隆志。“KOMOTAKA” Takashi Komori With Protector suits

そして、ビッグウェーブに挑む姿を何度もDOVEブログで紹介していますが、記憶に新しいのは、昨年8月23日台風19号と20号が立て続けに通過した時、宮崎のカレンズポイントにタイフーンスウェルが到来し炸裂。歴史に残るシーンを紹介しました。Photo: Takashi Shiiba

身も凍りつく大波挑むBIGウェーブハンター 堀口鉉気中迫謙吾小森隆志.

Takashi Komori / Photo: Takashi Shiiba (FromVideo shot’s)

そして彼は、19歳の時に初めてハワイへ行き、その波に魅せられ通い続け18年の月日が過ぎ、前シーズン、カウアイ島へ一人旅。オーストラリア在住のDOVE インターナショナルライダーのサム・ユーンファミリーとキャンプ生活を共にしながら大波にチャージした記録をレポートしていただき、このDOVEブログで紹介しました。

そして、今冬も正月を跨いでカウアイ島へ行き、また同じくサムさんと合流し、キャンプと言うサバイバル生活をしながらウェーブハントしたレポートを紹介します。

彼から送られてきた表題は「選ばれし馬鹿者と呼ばれて 」文中の中にその意味が記されています。また、戸倉会長と長年の親交の深いレジェンドの方々との出逢い話にご縁の素晴らしさを綴られています!!ぜひご覧ください。

 

選ばれし馬鹿者と呼ばれて

 ”コモタカ” 小森隆志

17歳で波乗りを始め19歳で初のハワイ。地元の先輩で兄貴分の中迫謙吾プロに連れて行ってもらったサンセットの横のバックヤーズで怖すぎて足がガクガク震えていたのを今でも鮮明に思い出す。恩師であるニック野崎さん宅にお世話になって右も左も分からない自分は幾度となく叱られ共同生活のあり方、海でのマナーなど波乗りだけでなく大事な事をたくさん学べていたのだと今になりようやく分かってきた気がする。

謙吾さんには何度も言われていた。12年通ったくらいでは話にならないぞ!5年は来ないとな!と、正直未熟な自分にはさっぱり意味が伝わってなかった。コンテストに出てもまるで結果が出せない自分はとりあえず、ハワイへ通い続ける事に・・・。5年目ワイメアベイに初チャレンジ、皆が波待ちしているポジションより遥かに端にいたのだが、その日の波はエディアイカウのコンテストが開催されるかもしれないと噂されていた程のビッグウェーブ。しかもサーフボードは当日の朝に道端で購入したボードで値段が書かれたままのオールドな10‘6のシングルフィン。今思うとゾッとするような無茶な行動だが生きていて良かったと振り返って思う。

そして通い続けて約16年、今年もカウアイ島でのサーフキャンプ。去年と同様オーストラリア在住のサムさんファミリーと現地で会う事になっており、ビッグウェーブ用のガンを売ってもらう事になっていたのだが自分の連絡ミスで3日間会う事が出来ずにいた。トラブルが起きてからが本当の旅だと、ふと誰かが言っていたのを思い出した。ようやく一年ぶりの再会を果たすが、波が上がって来ていた事もあり、すぐに島の反対側に行こうと僕らは即決した。

世界で最も雨が多いと言われる事のあるノースショアから最も雨が降らないと言われるウエストサイドへ向かう。向かった先はビーチを片道2時間歩いて行かなければならないというシークレットスポット。想像もつかない場所にいくのは楽しみ半分、戸惑う気持ちが半分。ガンを背負って辿り着くまでに2時間以上フカフカのビーチ歩く。Sam yoon

ゴールが見えない自分は「もうすぐですよね!」と「今、三分の一くらいだね」と言われ、愕然。重く長いサーフボードを持ち何度も持ち方を変え時には引きずりながらひたすら歩いた。こうやって歩いたりするのもジョーズの為のトレーニングになるんだと、さすがだなと感心するしかなかった。

歩いた後は身体が断捨離したようにスッキリするよ!と言うがまだ波乗りもしていないのに疲れてきていた自分は自分の体力の無さを痛感してしまう。ただ歩くのと違いサーフボードをいかにバランスよく運ぶか考えながらひたすら歩いた。Photo sam yoon

ようやくたどり着いたポイントはまるでボーナスゲームのようで、チューブからロングライドまである波だった。だが、また同じ道を歩いて帰らないといけないと言う事が頭の中から離れないでいたが、スタンディングバレルをメイクできた事でいつの間にか頭も身体もスッキリしていた。波乗りの持つ不思議なパワーのひとつだと思うが、波に乗る瞬間はあらゆる雑念がなくなっている気がする。

二人とも満足のいく波に乗れ、来た道をまた歩いて帰る、歩いて一時間くらい経つともう真っ暗になっていた。波乗りの為にここまで歩く経験はなかなかできないし、一人では間違いなく行くことないポイントに連れて行ってくれ本当に感謝している。

翌日は島の反対が良さそうだったので朝起きてすぐに車を走らせる。

北に向かうとさすが雨の島。一気にどんよりしてきたと思ったら大雨に・・・。

目的の場所まで行こうとするが雨の影響で通行止めになっており先に進めず。道が一本しかないのでどうする事も出来ずとりあえずテントを張る。キャンプをする自分は全て車に荷物も積んであり最悪どこにでも寝れるが、多くのツーリストは宿に帰れず大変だったようだ。雨が降ってもタープがあれば快適に過ごせる。

一人でキャンプをしていると料理が楽しみだが食材の保存が悩ましい。

翌日雨も上がり念願のサーフ。朝は9‘5のガンで、そのあとは5’5で同じポイントで波に乗る。あるポイントではスタンドアップパドルボードからフォイルボード、ロングボード、ショートボードとあらゆるボードで波乗りを楽しんでおり、ハワイの海の文化の深さを感じる。

自分が訪れていた時期がちょうど日本の正月だったという事もあり日本の家族の事を思いだすと、どんな正月を迎えているんだろうと少し寂しくなる。10年程前やはり正月をサンセットのニック野崎邸で迎えていると「日本の人が正月休みでまったりしている時期にノースショアに来てる奴は馬鹿者だなー。お前は選ばれし馬鹿者だなー、笑。そのかわりこの時期にしか味わえないスペシャルな波を体験できるけどな!」と言われたのを思い出す。10年前と違い家族もでき、子供も二人いるのにまたハワイに一人できている自分はニックさんに言われた事が的中しているかも、、、とようやく理解してしまった。

一人で大晦日を過ごす事になった自分は食材を買い込み山へ向かった。Kokee camp ground

海の荒々しい雰囲気も好きだが、カウアイの山の上にあるキャンプ場もまた最高に心地よい。

朝、起きて海に向かう準備をしていると、サムさんファミリーが現れて初日の出ではなく初レインボーを見に行こう!と誘ってくれた。都合よく見れるものなのかなと思っていると本当に現れたからびっくり!自然を読む能力にはいつも驚かされる。Kalalau rainbows

下山してから、ジェリーロペスさんが育ったいうパカラというレフトの波を乗りに行く。小さいながらも美しい波でかなりのロングライドができ、ここでパイプマスターが育ったのかと思うと嬉しくなる。

それから数日カウアイ島の波のバリエーションに驚かされながらついつい波乗りをやり過ぎてしまう。日本で植木の仕事をしながら波乗りをしている程度の自分にハワイの波は容赦なくやってくる。ノーリーシュで板を流して泳いでまた波に乗る、そんな日々を10日間程過ごしているとなんか風邪っぽいなと、さすがに疲れが出てきたのかなと思ってたらギクッと、まさかのこれはまさかのギックリ腰か、、、一人きりでキャンプをしていた自分はとりあえず寝れば治ると自分に言い聞かせテントの中に潜りこむ。朝起きると全く治っておらず、、、ハワイまで来ているのに腰を痛めて波乗り出来る状況ではない現実と、あと4日しか滞在できないという焦りがあったが、こうなったら山に籠って自然治癒力に任せようと開き直る。読書とレポート、焚き火料理。スモークハムを買い3日間山に籠る。

ギックリ腰になったお陰で思いっきり休むことができ逆に元気がでる。トレーニングと同じくらい休む事も大事な事なんだぞ!と(最も尊敬するレジェンドサーファー)堀口絃気さんが言っていたのを思い出す。改めて自分の身体のメンテナンスと休む事の重要性を身をもってわからされた。

残りの滞在が2日となった日。電波の入る街まで行き、波情報をチェックすると帰る予定の日から1週間後ジョーズが割れるくらいの波が押し寄せるとの予報。久しぶりにサムさんと会いギックリ腰になってしまった事、来週のビッグウェーブの事、もう帰る日が近ずいている事などを話す。iPhoneで波情報を見ながら今回のスウェルは凄そうだね!チケット伸ばした方がいいんじゃない?と一言。なんとなく不完全燃焼だったその時の自分は、その一言で胸がそわそわして、延長したい気持ちと日本で帰りを待つ家族の事、仕事の事など頭の中でグルグルと葛藤していた。

まず妻に電話して相談。はじめはびっくりしていたが事情を話すと、仕事の社長が良いと言ってくれるならいいんじゃない、そのかわり安全に帰ってくる事だけはお願いしますと言ってくれる。妻の理解、支えがある事に改めて感謝して会社の(植物の生産、販売をする会社、洋香園)社長に電話する。久しぶりに連絡するので緊張するが「社長、来週凄い波がくる見たいなんですよ。」と「じゃあ、その波に乗って来たいという事やね!」と完全に胸の内が読まれており「うちはいいけど、家族とお金は大丈夫なのか?」と「なんとか大丈夫です!」と答えるが正直、器の大きさにびっくりしていた。最後は「身体だけには気をつけて」と言ってくれ改めて理解のある人達に恵まれている事に感謝すると同時に必ず恩返しをしなければと思う。

人生においてあらゆる決断をしなければならない時があると思うが、この決断は想い出に残る決断だった気がする。

・・・第2話へ続く

 

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