2020.05.12 | DOVEライダー ブログ
Dovewetsuitsカンパニーの創始者「戸倉さん」に自分がNAZAREにチャレンジしたいと告げたのは出発の2日前だった。
戸倉さんは驚いていた反面、僕の挑戦を喜んでくれたが同時にとても心配されていた。
確かにこの時期に挑戦する事は無謀に近いしそれにパートナーがいない中行く事はとてもリスキーだ。
しかし、今の日本の状況を元気にする自分の最善の方法は大波に乗ってチャレンジすることだと強く思った。
その事も伝えると「とにかく気をつけて頑張れ‼︎」と励まされ出発した。
飛行時間は行きは36時間、帰りは42時間、およそ4日間が移動時間になる。
僕の様なbigwave型のライダーは、ただ行くだけじゃなくて、サイズが無いと意味がないので、近年ピンポイントであてに行く事に切り替えている。
リスクはあるが、ハイリターンもある。
2019/12/10〜15日の満月シーズンはハワイに行ったが見事に外している。
そんな時もあるし、僕はライフガード以外にも夜は船にも乗ってるので、満月しか動けないし、狙いに行くスタイルは台風の時同様波があるところにいくのが基本だと思うので、今回は、NAZAREがこの時期がベストだった。
NAZAREに持ってきたものは、dovewet suits特徴ウェットスーツ。
これは本来はmarvericks様に数年前に作って貰ったもので、浮力帯が入ったプロテクトタイプ。この上にライフジャケットを着る。
それから、ブーツ、グローブ、ヘッドキャップ、インナー全てmarvericks用にdoveよりサポートしてもらっている。
ポルトガルは、寒さ的には日本海くらいの寒さのコールドウォーターだ。
残念ながら飛行機の都合で持ってくる事の出来なかった、GUN”kisurfboard”がないのは、とても残念だったが何とか現地についてブラジルのビニーが僕に板を貸してくれた。
その後に、フランスの友達が僕のyoutubeを見てカメラマンとして国を超えて来てくれると連絡が入りとても嬉しかった。
3/11、水曜日AM5:30に起きて、灯台の岬にて波チェックをしたが、風がないと逆に霧がたちこめ視界が全くみえない。
7:00くらいになりようやく霧が多少とれブレイクがみえた。
面ツルの15f.セットで20feetの波だ!
これなら行けると、すぐにカメラマンと、ジェットチームに連絡した。
灯台より左側からパドルインすることにした。右側からパドルインすると波のサイズ的にはゲットインできる可能性は低いからである。
隣町のビーチから着替えてパドルアウトしておよそ2キロ位をかけて^_^パドルして高台をぐるっと沖合を回り込んでブレークポイントに到着ジェットスキーが来ないため、1時間位様子を見てじわじわポイントに近づいていった。
風がじわじわ吹いてきそうだったのでぼちぼち乗らないといけないと言う雰囲気になりジェットスキーが来ない中セッションがスタートした。
何本かテイクオフを試みるがナザレ特有のダブルアップする三角の波に苦戦を強い乗ることが最初はできなかったが、徐々に落ち着いて波を見ることができスローモーションのようにうねりや上のブレイクが見える位ゾーンに入ることことができたサーフィンの本質がここでも見ることができた。
1本目の波はまっすぐ降りることしかできなかったがサイズは15feetそこそこの波でしたが、盛り上がり並みのスピードがすごいため刺さらないように注意して~のコントロールレールの切り替えがとても重要だった。何とか無事に決めたが次から次にビーチブレイクなので波が来ることが怖くて必死にパドルアウトした。
二本目の波はしっかり決めに行きたいと思ったので小ぶりの波を選んだ。ほれかえるまえに立ち上がりレールをしっかり入れて落とし込むことができた。
自信がついたあたりで、セットがやってきた。
20feetプラスのど三角の波が水を吸い寄せ、迫ってくる。心臓の音が聞こえる。目の前でくらわんばかりのセットがわれるのをぎりぎりかわせそうだが、反対側から更にデカイ波が狭ってくるのが、波越しに見えているのだ!
オーマイガット!
1本目のレフト寄りのセットをなんとかかわす。
すると目の前にはNAZAREの波そのものがゆっくりもあっという間の速さで化物に変化しこちらに向かってくる。
ここの波はギリギリに交わすことが出来ない。何故なら他のポイントよりビーチのためリップがもたないし、ピークのほれ上がりが異質だ。
とにかく必死に逃げるラインを見つけてふるパドル!
ライトブレイクでやや左奥でわれる為、なんとかセットを喰らわずにすんだ。
それから、インサイドでまつのがこわくなり、カミングアップの可能性もありしばらく海の様子を観察した。
しかし、寒さが時間の経過とともに体力を奪う。怖さよりも生存の方が優先だ。
再びインサイドにカムバックして、小振りな波にトライした。
レフトよりの波だった。あまりbigwaveで自分はバックハンドのポイントを余りいかない。ガンのバックハンドは更に動かすのが難しいからだ。
しかし行くしかない。
パドルをドンピシャに合わせ早めにショルダーにふる。そこぼれする中板を押さえて斜面にダイブするようにテイクオフ。
板のスピードの方がわずかに早くメイクする事ができた。
もう1本。
心の中で自分が納得する波に乗り切ってないと思っていた。
何度も、テイクオフ出来なかったあの波に乗りたい。
手はすでに感覚が無かったが、自信で心だけは熱かった。
呼吸を更に入念に、海と合わせる。
狙っている中セットがやってきた。
正面のウネリだ。3本くらい来る予感がした。
1本目はパドルするまでも乗らずにギリギリまでブレイクを観察、15秒後同じ場所でわれる事を予想して、ブレイクGPSを一瞬で合わせる…かなりハマった感覚で自信を持ってパドル、刺さるかもというくらい波が惚れ上がったが、波よりも自分が見えてる感覚が早い為、波の動きが読めた。
レールを落としたい方向にしっかり体重を落とせた為、板をほれあがるリップから斜め下の波の腹にえぐることができた。
しかしその瞬間ダブルアップして空に浮いた。
水面の動きに集中した。水の上がり方は下から上で自分はやや斜めに降下してレールが外れてる。という事は無理矢理レールを入れる事は衝撃で吹っ飛ぶ可能性がある。
このままスピードに乗って落としながらレールのひっかかりをキープするしかない。
着地。下から上の水の流れる衝撃に耐える為、ノーズを岸に向かわせる為左足を低姿勢で引っ張る。この意識がないとぶっ飛んでいただろう。そのままフルスピードで降りながら振り返り波を見ると、チューブが見えた。
しかしあまりの速さに舵はきれずそのまま滑り降りた。
“HYOOOO”歓喜の声が出た。
ずっと日本で課題であったダブルアップする波をここで意識して攻略出来る事ができた。
“エアドロップ“余り重たい板でするものではないが、最近シェーンドリアンやカイレニーが見せるドロップだ。
彼らほど素晴らしいものではないが、自分にとっては本当に価値ある体験だった。
さて、油断せずにパドルしてビーチに戻る事もこのbigwaveでは重要だ、インサイドの魔物が、ここにはいるから。
上手く喰らわずにビーチに足がついた。板を押して走り込み、なんとか着陸できた。
安堵して大の字に寝そべる。空を眺めて自分が今最大源に出来る事をしたと神に告げ、しばらく座って波を見て、全てに感謝した。
Dove wetsuit、それからそれを繋いでくれたkisurfboard…全てはライダーテストの足摺岬から始まった。
Bigwave馬鹿でいい。Bigwaveが大好きなんだ。これからももっとbigwaverとして成長する姿でサポートして頂いてる方々に恩返ししていきたいです。
何時もありがとうございます!
皆んなで、コロナの時期を乗り切りましょう!僕らサーファーはなんでも出来ます!
Stay ALOHA‼︎
Dove 最高‼︎